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そういう中で、貸金業者の顧客である中小企業も、資金繰りに困ることになりました。
確かに、貸金業者の中にはひどい業者も少なくありません。
徹底的に糾弾し、営業を止めさせたほうがよい業者が多いことも事実です。
しかし29.2%で成り立ってきた民間同士の契約を一方的に、しかも過去に遡って否定する権利は誰にもないはずです。
借りる人が納得し、貸す人も納得ずくで、29.2%で資金を貸借し、すでに元利金ともに支払い終わって、貸した人の帳簿からも消えている貸金があります。
そういう貸金に関してすら、弁護士にそそのかされて、思い出したように「グレーゾーン分は払いすぎていたから返してほしい」と言われたら、返さなければならないのです。
ビジネスに行き詰まって資金繰りに困窮した友人が、「29%でいいから、お金を貸してほしい」とあなたに頼み込んだとします。
あなたは百万円を友人に貸し付け、友人は窮地を切り抜けて、半年後に24万5千円を渡してくれました。
「この恩は一生忘れない」と泣いて感謝しながら返したのです。
ところがその友人が、最近、あなたのところにやってきて、「利息の14万5千円のうち7万円はグレーゾーン分だから返してくれ」と言ってきたら、あなたはどう思いますか。
誰も貸してくれなくて困っていたときに、多大なリスクをとってお金を貸してくれたあなたに対して、難癖をつけてくるわけです。
そういう友人とは二度と付き合わないでしょうし、確実な担保をとらない限りはおカネを貸そうとは思わないでしょう。
社会的な合意の下に、「今後の貸付金利は15%以下にしよう」と決めて、それ以降の貸金については「15%以下」というルールを強制するのなら、民主的です。
ところが、「29%でいいですよ」と言われてビジネスを営んでいたのに、ある日突然ルールが変更されて、「以前のものについても15%以下にする」と一方的に決められたら、パニックになってしまいます。
いま消費者向け金融や中小企業の貸出の現場では、極めて深刻な信用収縮が起こっています。
日本において消費者金融会社を傘下に持っていたある米国有名企業は、「日本は発展途上国以下だ。
こんな国ではまともなビジネスはできない」と吐き捨てました。
ビジネスを行う基盤である、契約の安定性が崩れてしまうような国では、長期投資などできるはずもありません。
つまり、グレーゾーン金利の撤廃という愚行は、日本が「ビジネスを安定的に行うにはふさわしくない国」であるということを、全世界に示してしまったのです。
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